社員を「大切にする」から黒字になる。「甘い」から赤字になる

著者 近藤 宣之
ジャンル 経営
出版年月日 2018/09/22
ISBN 9784866670539
判型・ページ数 4-6・264ページ
定価 1,650円(10%税込)
在庫 品切れ・重版未定
東京メトロ「西早稲田」の駅を降りて、西早稲田中学校ぞいに
ゆるゆると坂を下っていくと黒い雑居ビルが見えてきます。
このビルの1階から3階に「日本レーザー」の本社オフィスがあります。
通りの反対側には学習院女子大や女子中学・高校があり、周りは庶民的な住宅街。
こんなところにレーザーの会社が? と少し場違いな気もしますが、
日本レーザーがここに来てもう23年。すっかり周りに溶け込んでいると、
私は思っています。


申し遅れました。私は日本レーザーの会長の近藤宣之です。
2018年2月まで24年間、社長を務めていました。
日本レーザーは社員約60名、年商40億前後。
日本で最も古い、レーザー機器を専門に輸入する商社で、
創業50年を超える会社です。
最先端技術を売りにはしていますが、輸入専門商社ですから、
為替や景気の波に思い切りふり回される脆弱な中小企業といっていいでしょう。
そんな小さな会社が「日本でいちばん大切にしたい会社」中小企業庁長官賞を
はじめ、「勇気ある経営大賞」(東京商工会議所)、
「キャリア支援企業」厚生労働大臣賞、「ホワイト企業大賞」など、
数々の賞をいただいているのです。


なぜこんな小さな会社が? と不思議に思われる方もいるでしょう。
当社が注目を集めているのは、
ありえないくらい社員を大切にしている会社だからです。
そして社員を徹底的に大切にしていたら、
25年間連続して黒字を維持することができたからです。
ありえない! ということで、たくさんの賞をいただいたのですが、
人を徹底的に大切にしたら、本当に利益が出る会社になるのでしょうか。
そして日本レーザーのようなやり方をすれば、本当に人を大切にして、
利益がでる会社になれるのでしょうか。
これがこの本のテーマになります。


本論に入る前に、少し日本レーザーという会社について説明します。
レーザー機器というのは、みなさんにはなじみがないかもしれません。
身近にあるものとしては、家庭でお使いになっている
光ファイバーの中を走る光や会議に使う
レーザーポインターなどがレーザー機器に該当します。
私たちが扱っているのはもっと専門性の高いもので、
たとえば理科学分野で成分や形状を測定する測定機器や解析装置、
あるいは製造の過程で、微細な加工をほどこす加工装置などがあります。
技術的には最先端ですが、使われる分野は限られており、
莫大な利益を生むといった成長ビジネスではありません。
おいおい説明しますが、レーザー輸入業界は決して
好調な分野ではありません。


レーザー専門輸入商社は日本で60社程度ありますが、いずれも小規模事業です。
2000年度には6社あった売上高20億円程度という当社並みの
規模のレーザー専門商社が、17年の間に3分の1は消えてなくなり、
今は4社までに減少しているのです。
しかもその4社もレーザー輸入専門商社というビジネスモデルを
絶えず革新しない限り、赤字になるリスクがある厳しい状況です。
私が日本レーザーの社長を引き受けたときも、
3年間赤字で債務超過となって、主力銀行のメガバンクに
見放された状態にありました。
そんな厳しい環境にありながら、日本レーザーは赤字から復活し、
黒字会社に転換しました。その要因が社員を徹底的に大切にしたことなのです。

赤字会社が社員を大切にしたら、黒字になれるのか?

この本では今まで私が講演会やセミナーで語りきれなかったこと、
とくに「では、実際にどうすればいいのか」という
実践的なノウハウを紹介しています。
いわば経営の教科書として、今すぐ、今日から使っていただけるよう、
すべてのノウハウを公開したつもりです。


私はこの本のみ、この本だけでみなさんに
日本レーザーの経営の秘密を公開し、社員の方々が生き生きと働けるよう、
そして健全な経営を維持できるように、方法論としくみを
説明しようとしているのです。
なぜそんなことをするのかというと、
日本中に、社員を大切に、幸せにして、なお
かつ利益をあげ続ける会社が増えてほしいからです。
それが日本の経済に活力を与えると信じています。


この本が中小企業に勤める方とその経営者、
さらには大企業に勤める方の未来の姿
として、多くのみなさんに読んでいただけたら幸いです。

※「はじめに」に
より
プロローグ リスクを正しく見極めチャンスにする
第1章「人を大切にして利益を出す」ために必要なこと
第2章 伸びる社員を見つけ、育てる「具体的なしくみ」1【採用・教育】
1 採用制度 応募者の価値観を見極め多様な人材を受け入れる 64
2 教育制度社員全員に当事意識と危機意識をもたせる 84
第3章 社員を甘やかさずに黒字にする「具体的なしくみ」2【人事・賃金】
3 人事制度「透明性」があるしくみを「納得性」をもって運用する 104
4 賃金制度実力主義にもとづき社員の人間的成長を促す 120
第4章 社員の努力がもれなく「見える化」できる「具体的なしくみ」3【評価】
5 総合評価制度不足しているところを本人に気づかせる 156
第5章 「自分が大切にされている」実感を社員が得ているか
エピローグ 運命は自らが招く

巻末資料(6つのしかけ) 編
巻末資料の解説 263
資料1 CREDO(クレド):JLCにおける「働き方の契約書」 261
資料2 就業規則・賃金規定・退職金規定 251
資料3 総合評価表〔一般社員・幹部社員〕 243
資料4 嘱託契約社員関連資料 〔契約書・総合評価表〕 241
資料5 給与通知書〔一般社員・幹部社員〕 239
資料6 「今週の気づき」「今週の頑張り」の例 237
資料7 人事制度改革の年表および歴史 229

関連書籍

SHOPPING ご注文

定価1,650円(10%税込)

ネット書店で購入

  • Amazon
  • 楽天ブックス
  • 紀伊國屋書店
  • honto
  • TSUTAYA online
  • Honya Club.com
  • e-hon 全国書店ネットワーク
  • セブンネットショッピング
  • HMV&BOOKS online
  • ヨドバシ.com

SHARE シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 人を大切にする経営学会

  • ファイトネス

  • 慢性上咽頭炎

  • MIT