営業事務員 募集 - 2024.03.04
明智光秀の原像
2020年NHK大河ドラマの主役、明智光秀。
主君・織田信長を討った謀反人と誹られ、一瞬にして秀吉に討ち取られた「三日天下」人と嘲られることの多い彼の冤罪を晴らし、「中世最後の武人」としての姿を打ち出す試みの書。
東洋大学学長・竹村牧男氏推薦!
推薦の言葉 東洋大学学長 竹村牧男
従来、明智光秀は織田信長の家臣であるにもかかわらず、主君を殺した極悪の謀
反人であるというイメージが一般的であった。
しかし、では、信長は高潔な統治者であったのだろうか。天下人にのしあがるま
でには、幾多の酷いことをしてきたのではなかったか。特に比叡山、高野山、石山
本願寺等に対しても、焼き討ち等で徹底的に攻略したのであった。信長は本来、罰
せられるべき人物なのであり、その天命を光秀が担ったという見方も可能であろう。
著者は、光秀の汚名はそそがれるべきだとの声が、歴史の中で繰り返し唱えられ
てきた事実に対峙する。そこで『明智軍記』を史料としてではなく史論として解読
し、ついに中世的秩序の回復者を本質とする、新たな光秀像を照らし出す。それは、
神仏を根底に据えた、矛盾を調和の中に包摂する世界観の復権でもあった。
著者はまた、そういう光秀像を混沌とした現代に重ね合わせて、その行方に多く
の示唆を与えている。このこともまた、本書に深みを添えているというべきである。