明智光秀の原像

著者 窪寺 伸浩
ジャンル 健康・実用・一般
出版年月日 2019/11/11
ISBN 9784866671871
判型・ページ数 B6・160ページ
定価 1,650円(10%税込)
在庫 品切れ・重版未定

2020年NHK大河ドラマの主役、明智光秀。

主君・織田信長を討った謀反人と誹られ、一瞬にして秀吉に討ち取られた「三日天下」人と嘲られることの多い彼の冤罪を晴らし、「中世最後の武人」としての姿を打ち出す試みの書。


東洋大学学長・竹村牧男氏推薦!


推薦の言葉              東洋大学学長 竹村牧男

 

 従来、明智光秀は織田信長の家臣であるにもかかわらず、主君を殺した極悪の謀

反人であるというイメージが一般的であった。

しかし、では、信長は高潔な統治者であったのだろうか。天下人にのしあがるま

でには、幾多の酷いことをしてきたのではなかったか。特に比叡山、高野山、石山

本願寺等に対しても、焼き討ち等で徹底的に攻略したのであった。信長は本来、罰

せられるべき人物なのであり、その天命を光秀が担ったという見方も可能であろう。

著者は、光秀の汚名はそそがれるべきだとの声が、歴史の中で繰り返し唱えられ

てきた事実に対峙する。そこで『明智軍記』を史料としてではなく史論として解読

し、ついに中世的秩序の回復者を本質とする、新たな光秀像を照らし出す。それは、

神仏を根底に据えた、矛盾を調和の中に包摂する世界観の復権でもあった。

著者はまた、そういう光秀像を混沌とした現代に重ね合わせて、その行方に多く

の示唆を与えている。このこともまた、本書に深みを添えているというべきである。

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