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■本書はこんな本(著者の言葉)■
はじめに
なぜ「中小企業」の経営は苦しいのか? 昨今の中小企業を取り巻く環境は、非常に厳しいものがあります。
いや、厳しいというよりも「悲惨」と言ったほうがよいかもしれません。
テレビのニュースや新聞、雑誌を見ていると、連日のように倒産や失業、売上不振に債務超過……と、ろくな話題がありません。
そんな景気の悪いニュースに気が滅入ってくるのを吹っ切って会社に出てくると、待っているのは「売上不振」「赤字幅拡大」「取引先の支払遅延や倒産」「月末の資金繰り」「銀行の貸し渋り、貸し剥がし」と、頭の痛いことばかり。テレビの画面の向こうで起こっていたことが、現実として迫ってきます。
銀行が悪い、そもそも景気が悪いのだからと、文句を言ってみても、環境のせいにしてみても現実に起こっている問題は一向に解決しません。
なんとかしなければと、仲間の経営者たちが集まって、一杯飲みながらボソッとつぶやくのが、この一言。
「何か、儲かる商売ってないかなぁ……」
こう言うと、普通は次のような返事が返ってきます。
「そんなのがあればとっくにやっているよ」
それで結局は、
「そうだなぁ……早く景気がよくならないかなぁ」
と愚痴の言い合いになって、街角の居酒屋の夜は更けていくのです。
こんなことを続けていても、目の前の自分の商売は決してよくなることはありません。
とは言うものの、思いつきでいろいろな事業や商品に手を出しても、そう簡単にはうまくいかないしくみになっています。
営業力があれば何でも売れると思っている人もいます。しかし、それも幻想に近いものがあります。
世の中には「○○セールス」とか「○○マーケティング」なんて本やセミナーがあふれかえっていますが、すべての商売に当てはまるものなどありません。
もちろん営業ノウハウは勉強するべきですし、私自身、マニアではないかと自分でも思うほどに、この手の本を読みました。それなりに勉強になったと思うし、学ぶべき点もありました。ですから、営業に悩んだら一〇〇冊くらい本を読むことをお勧めします。しかし、それですべてが解決するというわけではありません。
では、どうすればよいのでしょうか?
一つだけ確実なことがあります。
それは「他人がつくったしくみに乗っかるだけでは、儲けていくのは至難の業である」ということです。つまり「代理店」や「下請け」では、死ぬまで貧乏から抜け出せないということなのです。
もちろん「代理店」で儲けている会社もあります。しかし、儲けているのはほんの一握りの会社で、ほとんどの会社は苦戦しています。「下請け」も以前から決して楽な仕事ではなかったのですが、最近はますます厳しさが増す一方です。
では、どうすれば「何か儲かる商売」を手に入れることができるのでしょうか?
それには「自社独自の商品」を持って、「自社独自の販売ルート」を構築するのが一番の近道なのです。
「でも急にそんなことを言われてもなぁ」
と、戸惑う方も多いかもしれません。
「大企業ならともかく、うちみたいな零細企業が……」
と最初から諦める方も多いでしょう。
「以前、仲間の企業で開発した商品を商社に持ち込んだけど相手にされなかった。そんなに簡単にいくものじゃないよ」
こうおっしゃる方もいるかもしれません。
しかし、小さな会社でも、画期的な技術がなくても、人材がいなくても、売れる自社商品を開発して販路を開拓していくことは、決してむずかしいことではないのです。
もちろん明日からすぐにってわけにはいかないかもしれません。でも現状を変えないとずっと苦労し続けることは目に見えています。
以前の私がそうでした。一人しかいない、技術もない、業界へのルートや人脈もない、そんな会社がどん底から這い上がっていった体験をベースにこの本を書きました。
自社よりもずっと大きな会社から「御社の商品を扱わせてください」と懇願される快感、FAXで次々と注文書が入ってくるあのなんとも言えない喜びを、あなたもぜひ、体験してみてください。そうすれば、あなたの会社も、もっと儲かりまっせ。
二〇〇三年二月 栗本 唯 |