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■本書はこんな本(著者の言葉)■
はじめに 格闘技の異種目対抗戦をみると、それぞれの種目には独自の技があるはずなのに、その技を使わず、どの種目出身の選手もみな、ムエタイ(キックボクシング)の技で戦います。これは、格闘技が合理性を追求すると、ムエタイの技にならざるを得ないことを示しています。
この本で紹介する賃金制度は、私が勤務する亦タ金管理研究所の会長である弥富賢之が考案しました。このため、弥富式賃金制度といわれることもあります。弥富式は、賃金制度におけるムエタイのような存在です。あらゆる格闘技がムエタイ化するように、賃金制度は弥富式化しています。
最近、賃金改革の動きが盛んです。その具体策は、@年齢給や勤続給を廃止して査定昇給のみにすることや、A単調に昇給するのではなく、ある時点からは昇給が抑制されるようにすること、B賞与を点数化することなどです。
しかし、これらは最近になって考案されたことではありません。弥富式が1960年代から提唱していることです。ムエタイ400年の歴史にはかないませんが、弥富式賃金制度は40年前からほとんど変わっていません。
この本は、白紙の状態から成果主義の賃金制度を導入しようとしている方や、すでにある賃金制度を改革しようとしている方を対象にしています。このとおりにやれば、誰でも実力に応じた成果主義の賃金制度が設計できます。いっさいのノウハウを出し惜しみすることなく、ここにすべてを公開しました。
本書には3つの特徴があります。
第1に、できるだけ視覚化したことです。「長々とした文章より箇条書き、箇条書きより表、表よりグラフ、グラフより図表やイラスト」という優先順位に従って書きました。忙しい方は、図表やイラストだけを見てくださっても結構です。
第2の特徴は、できるだけ数式化したことです。賃金は数字そのものですが、数字のことは数式で表現するのが一番わかりやすいからです。数式といっても、使ってあるのは+−×÷だけです。中学校レベルの数学の知識があれば十分理解できます。中学の数学など忘れてしまったという方もいらっしゃるかもしれませんが、その程度の数学は、意識するしないにかかわらず、日常生活でも利用しているものです。
第3の特徴は、具体的な数字の決め方を説明したことです。賃金表にしてもベースアップにしても賞与原資にしても、「適当に決める」とか、「いろいろなことを考え合わせて決める」とかいう、あいまいな説明は排除しました。
最後になりましたが、出版プロデュース会社「アトミック」の代表・祐川巨望氏のご協力と助言に感謝致します。
本書が多くの皆様のお役に立てば幸いです。
2003年3月 神田靖美 |