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「すぐやる人」になれば仕事はぜんぶうまくいく

著者:金児 昭

1,470円

四六判

ISBN4-86063-011-4

他人にすぐにやってもらおうと思えば、まずは自分がすぐにやることです。相手に誠意あるよい仕事を望むなら、自分が誠意を尽くすことです。それが1%でも人よりまさっていれば、仕事は必ずうまくいきます。

【本書の内容】
第1章■すぐやる人の「すぐやるコツ」 すぐにやるから仕事がどんどん前に進む
第2章■すぐやる人の「仕事の基本」 時間に使われず、時間を使う
第3章■すぐやる人の「仕事の工夫」 気分よくやれば仕事は早くうまくいく
第4章■すぐやる人の「自由時間」 自分の時間を上手に生かす
第5章■すぐやる人の「緩と急」 たまにはのんびりやってみる    

【著者はこんな人】
 金児 昭(かねこ・あきら)
1936年東京生まれ。1961年東京大学農学部農業経済学科卒業。同年、信越化学工業(株)入社。工場経理課、営業部門、関係会社を経て1980年経理部長。1990年取締役。1992〜99年常務取締役(経理・財務・法務・資材関係担当)。1999年から信越化学工業(株)顧問(現任)。1994〜97年公認会計士第三次試験(筆記・口述)試験委員。1998〜2000年金融監督庁顧問(専門分野「企業会計」)。1999年から経済評論家、民間エコノミスト(会計・経営・経済・金融・社会)として活躍中。早稲田大学大学院商学研究科客員教授(現任)。
著書に『ビジネス・ゼミナール 会社経理入門』『教わらなかった会計』『入門 強い会社の経理・財務』『これでわかった財務諸表』『「連結」の経営』(日本経済新聞社)、『やさしい連結決算』(中央経済社)、『英語で読む 決算書が面白いほどわかる本』『最新版 図解 入門 連結決算早わかり』(中経出版)、『3ステップ式だからキャッシュフロー経営が一番よくわかる本』『3ステップ式だからキャッシュフロー計算書をすらすらつくる本』『3ステップ式だから新会計基準の決算書がラクラクわかる本』(編書 あさ出版)、『楽しく覚えられる英単語「ゴロ合わせ」』(ライオン社)など多数。

■本書はこんな本(著者の言葉)■
はじめに     
仕事で大事な三つのモットー
◎仕事漬けの日々の中で……。
 私は信越化学工業という会社に入って三八年間、子会社への二度の出向を含めて、生きた会社の経理・財務の実務の仕事をしてきた。いわば、経理・財務一筋のたたき上げの経理マンである。
 二十代の頃は、従業員七名の建設会社へ出向し、営業と会計の仕事をやった。プラスチック製品を製造・販売する関連会社に出向したときは、合成樹脂製のバケツや雨どいなどの販売や営業会計も体験した。製造した製品と一緒にトラックの荷台に乗り込んで、納入先まで何百回と行ったこともある。
 三十代から四十代にかけては、まさに仕事漬けだった。信越化学工業の経理課長だった私は、海外のM&Aのプロジェクトに参画するなど、年に何度も海外へ出向き、家族とまともに顔を合わすことすらままならない日々を送っていた。
 こうした新入社員の時代から課長になる頃の一五年ほどを過ごす間に、上司から教えられ、自分自身でも納得した上で築いてきた「モットー(日常生活における努力の目標として掲げる言葉)」は、次のようなものだった。

 1)正確さ(アキュラシー=accuracy)
 2)迅速さ(スピード=speed)
 3)誠実さ(インテグリティ=integrity)
 この三つは、その後の私の会社人としての行動の指針ともなってきた。

 正確さとは、経理・会計では一番大切なことである。企業経営の事実にあっている規則に沿った正しい計算でなければ、信用されることはない。「正確な記述」「正確な記憶」を心掛けることはなによりも重要なことだ。
 迅速さは、すばやく物事を処理したり、物事の進み具合や人の行動などが滞ることなく進行することである。速さを追求するあまり安全性を無視することは絶対にあってはならないが、迅速に行うことで安全性が担保できたり、大きなチャンスを逃さないことにつながったりする。
 最後の誠実さは、会計・経理・財務の仕事をする場合だけでなく、経営トップをはじめとしてどんな仕事を遂行する場合にも、必ず心掛けなければならないことである。これは、仕事の進め方の基本というよりも、人間としてのあり方の基本といってもよいだろう。
 この三つを心に据えながら、日々、目の前にある一つひとつの仕事を「すぐにやる」ことを、私は三八年間心がけてきた。
 その中で、公認会計士試験の第三次試験(筆記・口述)の試験委員を務めさせていただいたり、金融監督庁の顧問に民間企業からただ一人任命されるという大役をお引き受けするということにもなった。そうした機会に恵まれ、役目を無事果たすことができたのも、この三つの心掛けのおかげだと思っている。

◎日本のビジネス・パーソンは必ずできる
 これら三つのモットーを、私は今でも日々の生活の中で大切にしている。
 そして、今こそこの三つの事柄がさらに大事になっていると感じるのである。
 日本では金融機関による不良債権の処理と企業の再建に、世を挙げて取り組んでいる。海の向こうのアメリカでは、二〇〇一年からのエンロン社・ワールドコム社の倒産に端を発した会計不信などによって、ニューヨーク株式は大暴落し七兆ドル(約八四〇兆円)を吹き飛ばし、低迷を続けていた日本の株式市場にも追い討ちをかけた。
 日本の国や企業に望まれているものは、まさに正確さ・迅速さ・誠実さの三つであり、アメリカのエンロンやワールドコムに大きく欠けていたものは、正確さであり誠実さであろう。
 同時に、経済状況の悪化で、会社はどこも厳しい経営を強いられるようになり、社員一人ひとりの仕事の進め方や結果に対する評価も厳しくなっている。このような傾向は、今後加速することはあれ、後退することはないように思われる。
 しかし、私は日本のビジネス・パースンは、こうした試練に耐え、自分を磨き、困難を突破していくだけの大いなる力を秘めていると思っている。
 日本人は伝統的に勤勉で真面目であり、先に挙げた、@正確さ、A迅速さ、B誠実さ、をもともともっているのである。
 この三つは、国・企業・家庭のそれぞれの「会計」において最も大切なことであり、国・企業・家庭を「運営」していく上でも欠くことのできないものでもある。
 だからこの三つは、会計に限らず、仕事に限らず、人間が生活を営んでいく上で、最も大事にしなければならないことの根本であると思うのだ。この三つをしっかりと心にとめて行動していくことが、幸せな人生を送ることにつながるのだと思う。

◎仕事も人生もうまくいく体験的仕事術
 今、仕事の第一線で活躍している多くの若い人たちも、日々の仕事、日々の生活の中で、いろいろな出来事に出会うと思う。嫌になること、なげやりになること、放り出してしまいたくなることも少なくないかもしれない。しかし、そうしたときに、正確・迅速・誠実の三つの言葉を思い出していただくことができればと思う。
 この三つの事柄は、個別に成り立っているわけではなくて、それぞれが互いに関連しあっている。正確にやろうとすれば迅速さや誠実さが必要となってくるし、迅速に行うにも、正確さや誠実さが伴わなければならない。そして、誠実であろうとすれば、正確さや迅速さも自ずとついてくるはずなのだ。そうすることで、「私」も「あなた」も「会社」も「仕事」も「生活」も、すべてがうまくいく。
 本書は、この三つの事柄をモットーとしながら私が会社人として体験してきた仕事の進め方、多くの先達から学んできた仕事に対する姿勢を、三八年間を振り返りながら書いた。
 仕事でも人生でも、時として肉体的、精神的に多くの負担を強いられたり、大きな困難を伴ったりすることがある。泣いたり、腹を立てたり、つまずいたり、転んだりの連続である。そうした困難を克服しながら、自分の心・アタマ・身体をフルに働かせて、仕事をうまく進めていくためにはどうすればよいかも書いた。
 本書が、ビジネスの第一線、実務の真っ只中にいる人々が、難局を乗り越え、前向きに仕事に取り組み、人生をよりよいものにしていただくためのお役に立つことができればこれに勝る喜びはない。
 最後に、信越化学工業の小田切新太郎前会長をはじめとして、数々のご指導をいただいた多くの先輩方・同僚方、私と一緒に仕事を支えてくれた後輩たち、そして家族に心から感謝の気持ちを捧げたい。

二〇〇二年十一月

                 金児 昭

■■本書のもくじ■■

ははじめに
プロローグ 「すぐやる人」のすぐやる理由

第1章■すぐやる人の「すぐやるコツ」 
すぐにやるから仕事がどんどん前に進む

●「面倒くさい」と思ったときは、しめたもの
   すぐにできない心理学/自分に思い込ませる術

●仕事がどうしても嫌なとき
   喜んでくれる人/鍛錬の場

●忙しいから、すぐにできる
   忙しいの実態/聖徳太子方式の試み/複数のことに同時に頭を働かせる
   予定をゼロベースからつくり直す/忙しいときほど仕事が見える

●忙しがっている人、そうでない人
   忙しいことは自慢になる?/責任と義務の範囲を認識する

●ギリギリの仕事がミスを生む
   小さなつまずきが大きな傷に……/やりっぱなしはミスのもと

●早めに仕上げて危険を回避した話
   絶対に犯してはならないミス/決算書に間違いがあった!/人海戦術による徹夜作業

●人と会うのは、なるべく早く
   良いことは少しでも早く/もったいぶるのは逆効果

●五分前の原則を守る
   絶対に許せない!/スタートのつまずきは致命傷/
   待てば待つほど有利になる/待たされるのも悪くない

●なぜ、すぐに決められないのか
   決められない理由/仕事のスピードと心身のスピード/決断に冒険はつきもの

●決めるために必要なこと
   費用と効果を考える/最後は勘がものをいう/人事を尽くして天命を待つ

●せっかちの利得
   拙速も時には必要/よく考えるせっかち者

●「途中の悩み」に意味がある
   優柔不断も時には大事/報われない努力をいとわない

●すぐにやらないことが大事なときもある
   時には「断る」勇気をもつ/「時間稼ぎ」は危機管理

第2章■すぐやる人の「仕事の基本」 
時間に使われず、時間を使う

●早くやるからのんびりできる
   余裕時間の弊害/理想的な完成予定時間/「のんびり予定時間」をつくる

●自分の「時間割り」をつくる
   区切られた時間/時間の点と線/自分のための「時間割り」

●先のこと、目の前のこと
   先を見るとは?/「目の前」のことをやる/幅をもって自分に問う/

●夢だけを追いかけない
 なにもかもやろうとしない
   「やりたいこと」メモをつくる/小さなトゲを先に抜く/リズムを崩さず順序よく

●重要な仕事、急ぐ仕事
   重要性と緊急性/膨大な仕事と限られた時間/テーマを分類する/予定に縛られすぎない

●できるところからやっていく
   仕事の山の突破口/できないことは急げない

●系統立てた仕事の落とし穴
   順番どおりにこだわらない/仕事の順序を変えてうまくいった話

●「考える」仕事
   自分なりに考える/要する時間はたったの一時間/仕事の振り返りが自分を鍛える

●相談上手は仕事上手
   自分の意見をもってこそ/必ず文書にして渡す/集まる前に実行方法を考える

●自分に最適な仕事のやり方とは?
   時には同時並行して仕事を進めてみる

第3章■すぐやる人の「仕事の工夫」 
気分よくやれば仕事は早くうまくいく

●嫌な仕事を面白くやる
   どうしても嫌な仕事/嫌な仕事を好きにする工夫/仕事はゲーム/嫌な原因を取り除く

●むずかしいことをやさしくやる
   むずかしいこと、やさしいこと/むずかしくやるのは簡単?/
   仕事のプロとアマ/いつも相手の身になって

●誠実が最大の武器
   仕事で一番大事なこと/まずは自分が努力する/本物のやさしさ

●人に頼むとき、頼まれるとき
   持ちつ、持たれつ/一〇万人との付き合い方/三度目のお辞儀/”情け”は人のためならず

●「いつでもいいですよ」という魔法の言葉
   急いでいても「急ぎません」/意欲に火をつける

●褒められて、人は初めて踊り出す
   赤ん坊はなぜ微笑む?/やってもらうには、やってみせる

第4章■すぐやる人の「自由時間」 
自分の時間を上手に生かす  

●早朝喫茶店のコーヒー
   ゆったり予定を考える/新聞は会社では読まない

●通勤電車の中は思考と知識の宝庫
   ”時間“の発見/思わぬ副産物

●自分の時間を設計する
   早寝、早起きは三文の得/寝ている時間も大事/テレビの誘惑/自分で時間を設計する

●会社の外で知識を蓄える
   学習意欲は突然湧き出す/知識と実務が出会う時

●情報集めはいつでもできる
   仕事に必要な三つの情報/思いついたらすぐにメモ/脳の中の思考を切断する

●私のメモ術
   「月単位」が仕事の基本/見開きひと月のメモ帳/仕事の完了を自分で確認

●身体とポケットは動く書斎
   膨らんだポケット/すべての物は定位置に

第5章■すぐやる人の「緩と急」 
たまにはのんびりやってみる

●ボーッとしている時間も大切
   行き詰まる/気乗りがしない

●縮んで、伸びる
   集中力の正体/集中ナシ状態を意識して生み出す/縮むから伸びる

●できること、できないこと
   意欲と現実の齟齬/できないことも普通のこと/なにもしない自分にならない

●気張りのない挑戦心を抱き続ける
   自分の実力を客観視する/実力相応な努力を続ける

●できる人が、できる時に、できることを
   責任ある「ゆとり」/決して気張らず

●やっぱり体調の維持が一番大事
   良い睡眠をとるために/眠たいときは必ず寝てから

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