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「議論力」が身につく技術
著者:西部直樹 1,575円
A5判 ISBN4-86063-023-8
「いったい何の話をしてたんだっけ?」会話の最中、思っていることを伝えられない、つい感情的になって、不毛な状況に陥ってしまう……ということはありませんか?日々生活する上で議論をすることを避けることはできません。日常の会話、仕事の打ち合わせ、会議、商談、交渉、折衝も議論なのです。本書は議論の前の準備からわかりやすい議論の組み立て方、論証の方法を説明しています。人生を前向きに生きるためにも、ぜひ「議論力」を身につけてみませんか。
【本書の内容】
1st Stage 脱線、迷走の迷路から抜け出すために
2nd Stage 納得性の高い議論を展開するために
3rd Stage 議論のプレゼンテーション
4th Stage 反論の技術を身に付けるために
5th Stage 論理的でない相手と実りある議論をするために
Final Stage 自分自身と議論するために
【著者はこんな人】
西部直樹(にしべ・なおき)
●1958年北海道生まれ。81年札幌大学外国語学部卒業。広告制作会社・作家個人事務所などを経て、90年株式会社マネージメント開発研究所入社。 ディベート講師として、年間50回以上の研修を行う。94年同社退社。N&Sラーニング代表。
●現在、企業、自治体など、ビジネスパーソン・公務員の研修を多数担当。また、ディベート甲子園(全国中学・高校ディベート選手権大会)の 委員・審判なども務める。全国教室ディベート連盟常任理事、日本ディベート協会会員、 労働省認定産業カウンセラー。
●著書に、『実践ディベート研修』生産性出版(共著)、『教室ディベート入門事例集』学事出版(共著)、『はじめてのディベート』あさ出版がある。

■本書はこんな本(著者の言葉)■
はじめに
 ディベートを通して、日本に議論の文化を広め、定着させることを目指し、活動をはじめて十年以上が過ぎました。しかし、まだまだ、議論の文化が定着するまでにはいたっていません。
 私は十数年、企業内教育でビジネスパーソンに、また学校教育に携わる人たちにディベートを説明してきました。それでも、まだ、受講者からはディベートで鍛えられた議論力を発揮する場面に恵まれない、あるいは議論力をどのように使えばいいのかわからない、と言われることがあります。
 本書は、この道のりを少しでも縮め、ビジネスの場や日常生活の中で的確に議論ができるようになるために、実践的な「議論力」のスキルアップを目指しました。
 近年ディベートは、学校教育の中に取り入れられたり、さらに中高生を対象にしたディベート大会が開催されたりしていますが、まだまだ、誤解はあります。ディベートをすると理屈っぽくなる、論破しようとする、中には、ディベートをすると人生が変わると、書かれたものすらあります。
 また、このディベートで養成される議論力は、実際の場で発揮されて力をもつものですが、企業や組織の中には、議論そのものを避ける風潮があったり、議論することに対する誤解があったりします。議論は相手を無理矢理言いくるめることだ、議論では解決しない、などと思っている人も少なくないようなのです。
 しかし、私たちが生活し、仕事をしてゆく中で、議論をすることを避けることはできません。日常の会話も、仕事の打ち合わせ、会議、商談、交渉、折衝も議論なのです。国のいく末を論じる国会でも(的確な)議論が必要です。ですから、ディベートで、議論の基本、構成方法や表現力、傾聴力を訓練し、相手に納得してもらえる議論力を身に付けることは非常に意義のあることなのです。
 本書では、ディベートから学んだ議論のポイントを説明して、より実践に近づけ、的確な議論の仕方がわかるように工夫しました。
 最初に議論をする前にどのような準備が必要なのか、を説明しています。準備なしでいきなり議論をはじめてしまい、不毛な状態に陥る、そんなことをなくすための知識です。準備のあとは、具体的な議論の方法を説明しました。私たちが陥りやすい議論の抜けや間違いの例を見ながら、よりわかりやすい議論の組み立て方、論証の方法を説明しています。
 さらに議論が提出されたら、その議論にどのように反論をすべきか、反論の視点とポイントを解説しました。この章を読んでいただければ、反論は相手の議論を破壊する、ものではなく、よりよい結論を導き出すための検証作業だということがおわかりになると思います。
 世の中は論理的、冷静な議論ばかりではありません。感情的な議論や、詭弁や強弁もあります。それらの議論にどのように対処したらいいのかも説明しています。
 さらに、議論の技術は他者とのやり取りばかりでなく、自分自身との対話にも活かすことができます。カウンセリングの論理療法の視点から、議論の技術の応用方法の説明も加えています。
 最後に議論力を鍛える方法、ディベートの概略を解説しています。参考にして頂ければ幸いです。
謝辞
執筆に何かと協力してくれた左口絹英と西部かおるに感謝します。

 二〇〇三年三月    西部直樹

■■本書のもくじ■■

はじめに
Prologue
議論とは水のようなものである

1st Stage 脱線、迷走の迷路から抜け出すために
    1 議論の前に、する議論
    2「何を決めるのか」を意識する
    3 議論の軌道を修正する
    4 言葉の意味や範囲を定義する
    5 議論の決着をどうつけるか 

2nd Stage 納得性の高い議論を展開するために

     議論の構造を理解する-1
    1 議論は論理的である

     議論の構造を理解する-2
    2 主張には根拠が必要である

     「主張」を明確にする-1
    3 何を言いたいのかわからない議論

     「主張」を明確にする-2
    4 「察し」を求める議論

     「主張」を明確にする-3
    5 疑問を投げかけて主張した気分になる

     「根拠」を示す-1
    6「なぜ、そう言えるのか」という根拠を示す
     具体的な事実(データ)を示す/データの中身をチェックする
     【チェック1】 データの量は十分か
     【チェック2】 データの質は十分か
     【チェック3】 データの鮮度は十分か
     【チェック4】 データの中に矛盾はないか
     【チェック5】 データは主張を直接支えているか

     「根拠」を示す-2
    7 根拠には、さらなる根拠が必要である

     「理由付け」を顕在化させる-1
    8 主張とデータの距離を埋める

     「理由付け」を顕在化させる-2
    9 判断基準を言葉にして表現する

      議論を聞く
    10 違いを確認して合意点を見つける

3rd Stage 議論のプレゼンテーション

     議論を伝える技術-1
    1 「わかりやすい」とはどういうことか

     議論を伝える技術-2
    2 無理なく理解を得るための四つの技術
      メンタルモデルを一致させるために
     【スキル1】 ロードマップを示す
     【スキル2】 ナンバリングをする
     【スキル3】 ラベリングをする
     【スキル4】 エリアで組み立てる

      議論を伝える技術-3
    3 わかりやすい議論の展開を考える 

4th Stage 反論の技術を身に付けるために

     反論の基本
    1 適切な反論を行うために押さえておくこと

     反論の戦略-1
    2 大構造から迫り、小構造へと切り込む

     反論の戦略-2
    3 議論の不成立を指摘する

     反論の戦略-3
    4 反論の戦略にもいろいろある

     反論の戦術-1
    5 事実・価値の議論に反論する

     反論の戦術-2
    6 問題解決型の提案に反論する

     反論の戦術-3
    7 問題解決型の提案に反論する〈事例@〉
     【反論1】 現状に問題はない=現状を変える必要はない
     【反論2】 先行する側の提案では、問題は解決しない
     【反論3】 先行する側の提案では、不利益が大きく利益を上回ってしまう
     【反論4】 他の方法で問題は解決する

      反論の戦術-4
    8 比較利点型(とにかくやってみよう)の提案に反論する

      反論の戦術-5
    9 比較利点型の提案に反論する〈事例A〉
     【反論1】 先行する側の提案では、不利益が大きく利益を上回ってしまう
      【反論2】 他の方法をとれば不利益はない

      反論の戦術-6
    10 目標設定型の提案に反論する

      反論の戦術-7
    11 目標設定型の提案に反論する〈事例B〉
      【反論1】 その目標は重要ではない
      【反論2】 先行する側の提案では、目標に達しない
      【反論3】 先行側の提案では、不利益が大きく利益を上回る
      【反論4】 他の方法で目標に達する

      反論の戦術-8
    12 一つ一つの議論を検証する

      反論の展開
    13 反論のプレゼンテーション

      反論の注意点
    14 反論は、議論に対して行われる

5th Stage 論理的でない相手と実りある議論をするために

     非論理的な議論とは
    1 議論はいつも論理的に進むとは限らない

     感情の議論-1
    2 感情的な相手に対応する

     感情の議論-2
    3 感覚的な反論に対応する

     反論が通じない議論
    4 論理的と思い込んでいる相手に対応する

     詭弁に反論する-1
    5 詭弁や強弁にどう反論するか

      詭弁に反論する-2
    6 「一般化しすぎた議論」に反論する

      詭弁に反論する-3
    7 「後件肯定の偽り」を突く

      詭弁に反論する-4
    8 「前件否定の偽り」を突く

      詭弁に反論する-5
    9 「雨女」や「晴れ男」はいない

      意図的妨害に対抗する
    10 「揚げ足とり」に惑わされない

      一方的な主張に対抗する
    11 「大きな声のヤツ」の思い通りにさせない

      感情の議論
    12 「あなたが言うから」と、人格攻撃されたら

      勘ぐりの議論
    13 言っていないことで反論されたら

Final Stage 自分自身と議論するために

    1 自分と議論するとはどういうことか
    2 「論理」と「感情」は似ている
    3 「健全」なネガティブ感情と「不健全」なネガティブ感情
    4 イラショナルビリーフを見つける旅に出る
    5 イラショナルビリーフをラショナルビリーフに変える
    6 感情が変わり、行動が変わる

Epilogue

「議論力」を鍛える
【参考文献】【参考団体】

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